ドローンによる赤外線外壁調査のメリット②
2025年4月3日
(赤外線カメラで撮影した画像データの活用)

撮影データを残すことの主なメリット
1. 客観的なデータの蓄積
- 標準化された情報取得
- 撮影された赤外線画像は、誰が見ても同じ条件・同じ視点で取得されるため、点検結果に一貫性あり。
- 個々の調査員の主観や経験の差に左右されず、客観的な数値データとして蓄積されるため、第三者が確認しても同じ診断結果が得られやすいです。
- 再現性の高い記録
- 定期的に同じ場所の画像を撮影することで、過去との比較が容易になり、劣化の進行状況を時系列で正確に追跡できます。
- これにより、建物の経年変化を定量的に把握し、どの時点で異常が出現したのかを明確にすることができます。
2. 診断精度の向上と早期異常発見
- 微細な劣化の検出
- 赤外線画像は温度分布の変化を捉えるため、表面に目立たないひび割れや、内部の断熱材の不具合、水分の侵入など、初期段階の異常を発見するのに役立ちます。
- 目視点検では見逃されがちな微小な温度差を、画像データとして記録できるため、より早い段階での修繕対応が可能です。
- 定量的な評価の実現
- 画像解析ソフトウェアを利用すれば、温度差や異常部分の面積、強度などを数値化でき、客観的なデータに基づいた診断が行えます。
- これにより、劣化箇所の深刻度を定量的に評価し、修繕の優先順位を決定するための根拠資料として活用できます。
3. 長期的な建物管理とメンテナンス計画の策定
- 経年劣化の記録と予測
- 撮影データを定期的に蓄積することで、外壁の劣化進行状況を長期的にモニタリングでき、劣化パターンの分析が可能です。
- これにより、将来的な大規模改修や部分修繕の最適なタイミングを科学的に予測し、計画的な修繕スケジュールを立案することができます。
- コストの最適化
- 客観的なデータに基づく判断は、必要な修繕範囲やタイミングを明確にするため、無駄な改修工事を回避できます。
- 修繕のタイミングが適切に管理されることで、突発的な大規模改修による急な資金流出や管理コストの増大を防ぐことができ、長期的な資産管理に大きなメリットをもたらします。

4. 関係者間での情報共有と意思決定の迅速化
- 透明性のある情報提供
- 撮影した赤外線画像は、デジタルデータとして保存されるため、関係者全員が同じ情報を共有できます。
- これにより、管理者、専門家、オーナー、さらには保険会社など、第三者との間で客観的な情報交換が可能となり、意見の相違を減少させる効果があります。
- 意思決定の迅速化
- 客観的なデータに基づく報告書や診断結果は、修繕計画や改修工事の実施に関する意思決定を迅速に行えるため、管理体制の強化につながります。
- デジタルデータはリモートで共有可能なため、遠隔地にいる専門家の意見も取り入れやすく、効率的な意思決定が実現します。
5. 法的証拠およびトラブル発生時の対応強化
- 証拠資料としての信頼性
- 赤外線画像は、客観的な検査結果として記録されるため、万一、事故や損傷が発生した際の原因究明や責任の所在を明確にするための証拠資料として利用可能です。
- 法的なトラブルが発生した場合、過去の画像データが説得力のある証拠として機能し、紛争解決に寄与します。
- 保険申請や補償交渉のサポート
- 点検データが詳細に記録されていることで、保険申請時の損害状況の証明や補償交渉時の資料としても活用できます。
- 客観的な数値データは、保険会社との交渉においても説得力があり、迅速な解決につながる可能性があります。
6. 運用コストおよび管理リスクの低減
- 定期点検の効率化
- ドローンによる点検と赤外線画像の保存は、従来の足場を組んで行う方法に比べ、運用コストが低く、作業時間も大幅に短縮されます。
- 定期点検を頻繁に実施できるため、劣化の進行状況をリアルタイムに把握し、必要な対策を迅速に講じることが可能です。
- 長期的な管理体制の確立
- 蓄積されたデータをもとに、劣化の進行パターンや修繕周期を正確に把握できるため、計画的なメンテナンス体制が構築されます。
- これにより、将来的な予測精度が向上し、突発的な修繕による管理リスクが低減されるメリットがあります。

メリットまとめ
- 客観的なデータ蓄積
- 誰が見ても同じ条件で取得されるため、主観の影響が少ない
- 定期点検により時系列で劣化の進行が追跡可能
- 診断精度の向上
- 微細な温度差や内部劣化の早期発見が可能
- 数値化されたデータで正確な劣化評価ができる
- 長期的な建物管理
- 経年劣化のパターンを分析し、最適な修繕タイミングを科学的に予測
- 不要な改修を防ぎ、運用コストの削減につながる
- 情報共有と意思決定の迅速化
- 全関係者が同じ客観的データを参照できる
- リモート共有により、専門家の迅速な意見交換が可能
- 法的証拠・トラブル対応
- 事故や損傷発生時の客観的証拠として利用可能
- 保険申請や補償交渉での信頼性が向上
- 運用コスト・管理リスクの低減
- 足場設置が不要なため、点検作業のコストと時間を削減
- 定期点検データに基づく計画的な修繕で突発的なリスクを回避

最後に
赤外線カメラを搭載したドローンによる12条点検で撮影された赤外線画像データを保存することは、従来の点検方法に比べ多くのメリットをもたらします。まず、誰が点検を行っても同じ条件で客観的なデータが得られるため、劣化状況の正確な把握が可能です。これにより、初期の劣化の兆候を見逃さず、定量的なデータに基づく修繕計画を策定することができ、結果として大規模改修の周期を柔軟に調整する材料となります。また、蓄積されたデジタルデータは、長期にわたる建物管理や、第三者との情報共有、法的トラブル発生時の証拠としても大いに活用できるため、全体として管理体制の強化やコスト削減にも寄与します。さらに、定期的な点検データの比較により、劣化の進行パターンが明確になり、修繕の必要時期や優先順位の判断が科学的に行える点も大きな強みです。
このように、赤外線画像データの保存は、点検結果の透明性と再現性、さらには長期的な予防保全・修繕計画の策定に直結し、建物の安全性と資産価値の向上に大きく貢献します。
